社長が走り切る時期を間違えるな。売上と仲間づくりに集中すべき「企業のフェーズ2」の話
こんにちは。
『組織の左腕』代表の桑田龍征です。
会社を立ち上げ、事業が少しずつ回り始めると、多くの社長が似たような悩みに直面します。
「売上は立ち始めたが、この先どうやって組織を広げていけばいいのか分からない」
「採用やマネジメントの話を耳にするようになったが、今それをやる段階なのか判断できない」
こうした迷いの多くは、組織の成長段階を整理しないまま次の一手を考えてしまうことから生まれます。
組織の左腕では、会社や組織の成長をいくつかのフェーズに分けて捉えています。
今回はその中でも、事業が動き始め、社長一人で回すことに限界が見え始める2番目のフェーズ、いわゆる「社長が事業の中心として走りながら、仲間を集めていく時期」について解説します。
目次
なぜ「今どのフェーズか」を理解する必要があるのか
組織づくりの失敗は、能力不足よりも「順番の間違い」で起こることがほとんどです。
本来やるべきことを飛ばしてしまったり、まだ早い施策に手を出してしまったりすると、組織は歪みます。
だからこそまず大切なのが、今どのフェーズにいるのかを正しく理解することです。
組織成長を4つのフェーズで捉える

ここで全体像を簡単に整理します。
組織の成長には段階があり、フェーズごとに社長が担うべき役割は大きく異なります。
フェーズ1は「事業構築」。勝てる事業モデルを作り、利益が出る状態をつくる段階です。
このフェーズについては、別のコラムで詳しく解説しています。
組織成長の最初のフェーズで語るべきは理念じゃない。勝ち筋を見いだせ
フェーズ2は「マンパワー強化」。社長が売上に強くコミットしながら、事業に付随する全領域を自ら回し、仲間を集める段階。
フェーズ3は「仕組み化の基盤づくり」。採用や育成、評価の仕組みを整えていく段階。
フェーズ4は「組織の自走化」。社長が次の成長に集中できる状態を目指します。
今回はこの中でも、フェーズ1を抜け、フェーズ2に差しかかった社長が何をすべきかに焦点を当てていきます。
フェーズ2は「社長が全部やる」フェーズである
フェーズ2に入ったのであれば、社長は基本的にすべての領域を担う覚悟が必要です。
これは精神論ではなく、組織フェーズ上の必然です。
まず最優先すべきは売上を上げること。
利益が出ていなければ、採用も外注も仕組み化も続きません。どれだけ理想を語っても、数字が伴わなければ組織は前に進まない。だからこそ、このフェーズでは社長自身が売上に強くコミットする必要があります。
営業だけでなく、人事・広報・企画・財務・マーケティングといった事業に付随する全領域を、社長自身が理解し、回していく。
この段階で安易に「任せる」判断をすると、基準を持たないまま組織が広がり、後で修正が効かなくなります。
数字が極端に苦手な場合など、経理担当を置くこと自体は問題ありません。ただし、意思決定の主体は常に社長であること。この線は明確にしておく必要があります。
社長の戦闘力とは「再現性のある成果」を出す力

この時期の社長に大事なのは、社長自身で営業の量と質を担保できているか、そして人事・広報・財務など、事業に付随する全領域を自分で回せているかという点です。
ただ、気合いや根性だけでは、やがて行き詰まります。
「とにかく忙しい」「がむしゃらに動いているが売上が伸びない」という状態にある場合、
多くは努力不足ではなく、やるべきことと、やらなくていいことが整理できていないだけです。
だから重要になるのが、業務の棚卸しです。
壁打ちを通じて社長の業務を一つひとつ洗い出し、整理することで、優先順位が明確になります。
すると、不思議なほど同じ時間・同じリソースでも、成果が変わり始めます。
組織の左腕では、エグゼクティブコーチングを通じて、
現状の課題抽出からゴール設定まで社長に伴走します。
一方的に答えを渡すのではなく、対話を重ねながら、社長自身の思考や感情を整理し、意思決定の質を高めていく。
このプロセスを通じて身につくのが、
「忙しい社長」から「成果を出し続けられる社長」への変化です。
フェーズ2で求められる「社長の戦闘力強化」とは、長く走り続けるための設計力そのものだと言えます。
仲間集めは「スキル」より「動機の一致」
フェーズ2において、もう一つ極めて重要なのが仲間づくりです。
事業が動き始めたこの段階では、社長一人で走り続けることには限界が出てきます。だからこそ、仲間を集める必要があります。これは当たり前の話です。
ただし、ここで間違えてはいけないのが「誰を仲間にするか」。
目指すべきは、自分が背中を向けられる人、同じ方向を向き、同じ熱量で走れる人です。
特に注意が必要なのが、最初の幹部・コアメンバーの選定です。
ここを安易に決めてしまうと、後になって組織運営が非常に面倒になります。
この段階での人選ミスは、時間をかけてもなかなか修正できません。
また、よくある勘違いとして、「優秀そうな人を集めればうまくいく」という発想があります。
しかし、別の会社で優秀だった人が、あなたにとってマネジメントしやすいとは限らない。
これは現場で何度も見てきた事実です。
集める仲間は「賢すぎないこと」「不良すぎないこと」が大事です。
極端な人材を狙うのではなく、一番厚みを持たせたいボリュームゾーンをしっかり取れる仕組みとして設計することが重要になります。
そして、仲間集めにおいて何より大切なのは、社長自身がどこまで「やりたいこと」を重ねにいくかです。
表面的な条件や役割の話だけでは、フェーズ2の仲間は集まりません。
「お前、成り上がりたいんだろ?」
「お金を稼いで、何に使いたいんだ?」
「その先に、何があるんだ?」
こうした問いを、避けずにしっかり投げかける。
人生や価値観のレベルまで踏み込んで話をすることで、初めて「同じ方向を向けるかどうか」が見えてきます。
フェーズ2の仲間づくりで大事なのは、 社長の覚悟と方向性に、本気で並走できる人を見極めること。
ここを丁寧にやれるかどうかが、その後の組織の伸びを大きく左右します。