社員9名で年商9億円。中古車販売ブランド「クルマ王」を展開するアウトプラスが『組織の左腕』を導入して気づいた、社長と幹部の変化とは?
このコラムでは、「組織の左腕」を導入した企業の変化についてご紹介します。
今回取り上げるのは、岡山県倉敷市に本社を構える株式会社アウトプラス。
同社は、中古車販売サービス「クルマ王」を展開しています。
「クルマ王」は、一般的なローンに通りにくい方を主な対象に、LINE上で車の提案から審査まで完結できる中古車販売サービスです。
社員数は9名ながら、年商は約9億円。しかし、事業が順調に伸びる一方で、江本社長はある課題を感じていました。
それが、人事の仕組み化や組織づくり、そして幹部育成です。
「売上を伸ばすこと」よりも、「会社を組織化していくこと」の方が難しい。
そう感じた江本社長は、『組織の左腕』の社長コーチングを導入。さらに現在は、幹部候補である中沼さんも幹部コーチングを受けています。
今回は、江本社長と中沼さんの言葉から、社長コーチング・幹部コーチングを通じて、どのような変化が生まれたのかを紹介します。
目次
事業は伸びていた。それでも江本社長が感じていた組織づくりの壁

アウトプラスは、事業としては非常に順調に成長していました。
社員9名で年商約9億円。3年間増益を続けており、数字だけを見れば、すでに高い成果を出している会社です。
しかし、江本社長はその先を見据えていました。
この先、年商15億、20億と成長していくためには、売上を伸ばすだけでは足りない。
人事の仕組みを整えること。会社を組織化していくこと。自分が抜けても回る体制を作ること。そして、幹部を育てていくこと。そこに課題を感じていたといいます。
「売上を上げていくことより、人事の仕組みだったり、会社を組織化する方が難しく感じてきたところが、一番のきっかけです。そこを整えていかないと、この先15億、20億を目指していく上では限界が来るなと、すでに感じていました」
江本社長自身にとって、今の規模の会社を経営するのは初めての経験でした。
事業を作ること、売上を伸ばすことの先にある「人をどう育てるか」「どう任せるか」「自分が抜けても回る組織をどう作るか」というテーマには、難しさを感じていました。
「どうすればいいのか分からないというのが大きかったので、分かる人に聞くのが一番の近道だと思いました」
アウトプラスは、女性の事務スタッフが多い組織でもあるため、単に「いいからやれ」というマネジメントでは通用しない。
どこまで伝えるべきか。どう任せるべきか。江本社長は、その答えを探していました。
社長コーチングで気づいた「権限移譲ができていなかった」という課題

『組織の左腕』導入後、まず行ったのは江本社長への社長コーチングでした。
コーチングを受ける中で、江本社長が大きく気づいたことが、「権限移譲ができていなかった」ということでした。
「ちゃんと自分の目指すべき場所をいろいろ話した上で、権限を移譲することができていなかったんだろうな、というのが結構気づいたことかもしれないです」
以前は、社員に対して業務の指示を出すことが中心でしたが、組織を次のステージへ進めるためには、それだけでは足りません。
社長のビジョンを伝えたうえで、社員に任せることが必要になります。江本社長はコーチングを通じて、その重要性に気づきました。
「もうちょっと自分のビジョンを話して、『こうやりたいんだ。だからこうしてほしい』という自分の意見を伝えた上で、それを任せてあげることが大切なのかなと思いました」
作業指示ではなく、ビジョンと背景を伝えて任せる

江本社長は、もともと業務に特化したコミュニケーションが中心だったといいます。
「業務内容のみに特化したコミュニケーションだったのが、もう少し会社のビジョンなども含めてコミュニケーションを取るようになったことで、いろいろ変わった部分もあると思います」
コーチングを通じて、江本社長は「どういう考え方で判断すればいいのか」という基準も得られたと話します。
「判断する判断軸という意味ですごく助かっています。判断しやすくなったというところがあると思います。正しい方向で判断ができるのが一番いいのかなと思うので、それが実現できているのは本当にありがたいです」
社長自身が判断軸を持つ。そして、その判断軸やビジョンを社員に伝える。そのうえで任せる。
この流れができたことで、社内のコミュニケーションにも少しずつ変化が生まれていきました。
単なる作業指示ではなく、背景を伝える。会社としてどこへ向かうのかを話す。
そうした関わり方が江本社長の中で増えていったのです。
経営判断の進め方にも変化が生まれた

社長コーチングによる変化は、経営判断の進め方にも表れました。江本社長は、ある会社との提携の話を進めた時のことを振り返ります。
なぜ、その提携を進めるのか。会社にとって、どんなメリットがあるのか。そうしたことを、社員にきちんと説明したうえで進めることができたといいます。
「意味や理由も説明せずに、また一人でやっているわ、という状態が生まれたかもしれません。でも今回は、こういうメリットがあって、会社にとってもメリットだし、安定するし、売上も動かせるという話を全部させてもらった上だったので、それは自分のビジョンを伝えるというコーチングのおかげなのかなと思います」
自ら「幹部コーチングを受けたい」と手を挙げた幹部の中沼さん

社長コーチングを経て、次に始まったのが幹部コーチングです。今回幹部コーチングを受けているのが、中沼さんです。
中沼さんは、アウトプラスで約4年働いているメンバー。クルマ王の立ち上げをゼロから支えてきた存在です。
「最初は車のことも一切何も知らなかったです。軽自動車か普通車かというところも分かっていませんでした」
知り合いの紹介で入社し、車の知識がない状態から、事業の立ち上げに関わってきた中沼さんですが、今では業務全般を幅広く担い、会社にとって欠かせない存在になっています。
そんな中沼さんが幹部コーチングを受けることになったのは、会社の成長とともに、自分の役割が変わってきたからでした。
言語化を通じて、自分の役割と組織を理解する

幹部コーチングを受ける中で、中沼さんが最初に向き合ったのは「言語化」でした。
中沼さん自身、自分の考えを言葉にすることに苦手意識があったといいます。
コーチングでは、自己紹介から始まり、会社が今後どうなっていくのか、自分がどんな立ち位置で、どんな仕事をしていくべきなのかを言語化していきました。
「自己紹介のところから言語化していったり、今後会社がどうなっていくかの言語化であったり、自分がどういう立ち位置でどういう仕事をしなきゃいけないのかとか、そういう組織というものがどういうものなのかというところの気づきにはなりました」
コーチからのフィードバックを受け止め、自分の行動に落とし込んでいく中で、少しずつ意識が変わっていきました。
苦手だった言語化に向き合うことで、自分が何を考えているのか。会社の中で、どんな役割を担うべきなのか。といった部分が少しずつ整理されていったのです。
新しいメンバーに、自分から声をかけられるように

幹部コーチングを受けたことで、中沼さんの行動にも変化が生まれました。
今では新しく入ってきたメンバーに対して、自分から積極的に声をかけるようになったといいます。
「新しい方が入ってきたら、自分から積極的に声をかけに行ってみたり。既存のメンバーだったり、各部署がどうなのかというところに気づけるように、先回りができるようになってきてはいるのかなと思います」
現在は中沼さん一人が幹部コーチングを受けていますが、今後は対象者を増やしていきたいと話します。
社長が変わり、幹部が変わる。年商30億円を目指す組織へ

江本社長は今後の目標として、40歳までに年商30億円を目指したいと語っています。
社長コーチングを通じて、権限移譲の重要性に気づいた江本社長。単に作業を指示するのではなく、自分のビジョンや背景を伝えたうえで任せる。その変化によって、経営判断の場面でも、社員に意図を伝え、会社として同じ方向に進めるようになっていきました。
社長が変わり、幹部が変わる。その変化が、組織全体の成長につながっていく。アウトプラスの事例は、成長企業がさらに大きくなるためには、売上だけでなく、社長と幹部が一緒に変わっていくことが大切だと教えてくれます。