経営者が「人と向き合うこと」を避ける理由と、僕が学んだ“愛ある組織づくり”

桑田代表コラム

こんにちは。

「組織の左腕」代表の桑田龍征です。

今回は「経営者は人と向き合うのが苦手。別れが辛い」というテーマで書いてみます。

経営者は、実は愛が深い人間

世の中の経営者には「ワンマン社長」と言われる人も多いです。

ワンマン社長というと強気なイメージがありますが、実際は「愛が深い人」が多いと思っています。
だからこそ、裏切りや別れに対して人一倍傷つく。
経営者というのは、傷つきたくないがゆえに、人と深く向き合うことを避けてしまいがちなんです。

僕も経営者になりたての頃は、社員が一人辞めるたびに心の底から落ち込みました。
経営人生でいちばんつらかったのは「別れ」かもしれません。僕は過去に太った時期がありましたが、だいたい全部別れが理由です。

起業当初のメンバーは僕を含めて5人。ホスト時代の仲間や同級生、後輩など、信頼できるメンバーばかりでした。
でもそのうちの1人は横領、1人は独立、1人は他店へ移籍。
特に、2年半一緒に走ってきた仲間が同じ街で移籍した時は、本当にショックでした。

たった1人辞めるだけでも胸が痛みます。
20代の頃はそんな痛みを何度も味わいながら、ブシブシと刺されるような感覚で生きていました。
でも、その経験があったからこそ、「自分の器を広げなければ」と気づけたのだと思います。

縦割りに逃げず、人と向き合う勇気を持つ

傷つく経験を重ねた経営者の中には、「もう人と関わりたくない」と思い、縦割りの組織を作る人もいます。
現場との距離を取れば、傷つかずに済みますから。

縦割り組織には「人材を入れ替えやすい」「特定の人間に依存しない」といったメリットもあります。
でも、僕が多くの会社を見てきて感じるのは――そうした会社ほど、社長も社員も楽しそうじゃないということ。

経営者というのは、成長スピードがメチャクチャ早い人が多いです。
だからこそ、幹部や社員との間に「成長のギャップ」が生まれやすくなります。
このギャップを埋める努力をしないと、組織は必ず崩れていきます。

僕の場合、そのギャップを埋めるきっかけになったのが「コーチング」でした。
コーチングを通じて、幹部たちと感情レベルで向き合う時間を持てるようになりました。
その結果、組織の空気が大きく変わっていったんです。

「無関心」がいちばん怖い。愛を持って向き合う

今の僕は、遠慮せずに幹部や社員と向き合います。
「お前、何やってんだよ!」と叱ることもあるし、「今日の仕事、めっちゃ良かったな」と褒めることもある。
情熱を持って怒る・怒られるというのは、愛されている証拠なんです。

採用チームや育成チームにも、常々こう伝えています。
「愛を持って接してくれ。せっかくこの会社に入ってくれたんだから、全力で向き合おう」と。

厳しさの反対は「優しさ」ではなく「無関心」。
経営者が無関心になると、人も組織も一気に冷めていきます。
経営者って、損切りが早い生き物です。だからこそ、「意味がない」と思った瞬間に無関心になってしまいがちです。
でもそこで終わらせず、無関心の幅を狭くする努力をする。
それが、経営者としての器を広げることにつながるんです。

そして愛と情熱のある組織づくりの要となるのは、幹部の育成です。
幹部がブレれば、下もブレる。上の小さなズレは、現場では大地震になる。
だからこそ、幹部を育て、理念やビジョンを全体に浸透させる体制を作ることが大切です。

そして、その幹部を共に育ててくれる「コーチ」がいる。
それこそが、僕が考える「組織の左腕」の大きな価値です。

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