組織改革で人が辞めるのは当然|幹部の半分が去った改革を、売上10億→50億につなげた方法
こんにちは。
『組織の左腕』でCPOを務める南勇大です。
今回は「組織改革を進めると、なぜ人が辞めるのか」について、私が桑田龍征代表と出会い、ニュージェネレーショングループの組織改革に取り組んだ実例をたどりながら書いてみます。
組織改革に本気で取り組むと、必ずと言っていいほど人が辞めます。しかし、それは必ずしも失敗ではありません。
私はこれまで、桑田代表が率いるニュージェネレーショングループの組織改革に外部から10年ほど関わり、売上を10億円から50億円規模へと伸ばすお手伝いをしてきました。しかしその初期には、幹部の半分が辞めていったのです。
痛みを伴う改革をどう進め、どうやって成果につなげていったのか。私自身の経験を、順を追ってお伝えします。
会議室のホワイトボードから始まった、桑田代表との出会い

桑田代表と出会ったのは、私が外部から関わっていたある会社がきっかけでした。
その会社は、私が入って2年ほどで、売上が10億円ほどから30億円ほどにまで伸びていました。採用がどんどん進み、組織も大きくなっていた時期です。
その会社の会長と桑田代表が仲が良く、よく一緒に飲んだり遊んだりする間柄でした。経営者同士が集まれば、自然と組織の話になります。会社が急拡大していくのを横で見ていた桑田代表が「何でそんなに伸びているのですか」と尋ねたところ、会長は「最近コーチングを入れて大きくなったんだ」と答えました。そこから「ぜひ紹介してください」という流れで、私に声がかかったのです。
初めてお会いしたのは、その会長の会社の会議室でした。振り返れば、これもご縁だと思います。
最初の印象は細かくは覚えていませんが、一つはっきりしているのは、桑田代表がやる気に満ちて来ていたことです。「やります」という姿勢でした。
事業そのものはうまくいっていました。しかし、打てる手は一通りやり尽くしていて、その先で困っていたのです。「これ以上、どうやっていけばいいのか」と。
私はあまりプレゼンをしません。その日も、会議室にあった横長の大きなホワイトボードを使いながら、「ここからニュージェネレーショングループをどうしていくか」を二人でひたすら話しました。社長の悩みを聞き、どこにボトルネックがあり、どう進めていくかを一緒に整理していく。今でいうトライアルのようなことを、初回にそのままやってしまったわけです。
その場で、桑田代表は「やる」と決めてくれました。もともと私がコーチングでやってきたことが、桑田代表のグループでも同じように再現できるのではないか。そうした期待から声をかけていただいたのでしょう。
役職をすべてフラットにしたら、クーデターが起きた

桑田グループと関わり始めて、もう10年ほどになります。当時10億円ほどだった売上は、その後50億円規模にまで伸びました。
その中で、一番大変だったのは初期でした。
組織が本当に凝り固まっていたので、私はそれまでのスタンダードを全部壊すところから始めました。象徴的だったのが、役職をすべてフラットにしたことです。
その一つが、「社長」という役職そのものをなくしたことです。
そもそもホスト業界の「社長」は、法人の代表というより、現場の最高責任者や看板としての役職であるケースも目立ちます。役職としての社長は存在していましたが、やっていることを見れば「これは社長ではない」という状態になっていた。そこで「社長をなくしましょう」と提案したのです。
それまで社長と呼ばれていた人が、社長ではなくなる。そうなれば、クーデターが起きるのも当然です。実際に、あちこちでクーデターが起きました。「ふざけるな」「辞めるぞ」という反発が噴き出し、お店の人間が芋づる式に、10人以上まとめて辞めることも起きました。普通の会社では、なかなか起こらないことだと思います。
この時期は、桑田代表のもとで話を聞きながら、一緒になって乗り越えていきました。10年関わってきた中でも、この最初の局面が一番きつかったかもしれません。
去る人は、遅かれ早かれ去る

役職をフラットにするような改革をすれば、当然、反発する人も辞める人も出ます。しかし私は、それでいいと考えていました。辞めること自体は、必ずしも悪いことではないのです。
遅かれ早かれ、去る人は去ります。きちんとビジョンを示し、改革してもついてきてくれる人と、そうでない人がはっきりする。辞める人はいずれ辞めるのであって、その時期が早まっているだけ、というイメージです。
寂しさはあります。しかし、そうなる人はそうなるものとして、新しい人を育てていったほうがいい。実際、当時はまだ売上もなかったホストたちが、今のニュージェネレーショングループの中心となり、幹部になっています。
当時、長く中心で結果を出していた幹部陣は、半分ほどが辞めていきました。改革をするなら、長い目で見て早いうちに動いたほうがいい。甘い蜜を吸えるから残っている、という状態の人は、改革をすれば辞めていくものです。今いる場所が楽で居心地がいい、という理由でとどまっている人ほど、そうなります。
こうした、壊して作り直す組織改革を、社長がたった一人で背負うのは、なかなか骨が折れます。だからこそ、外側から働きかけ、凝り固まった状態に突っ込んでいって壊す。それが、私が最初にやったことでした。壊して作り直すのは、本当に体力がいります。
社長がひとりで、この体力のいる改革をすべて抱え込む必要はありません。
『組織の左腕』は、まさにそうした――社長一人では動かしきれない、体力の必要な組織改革を、外側から引き受け、社長と一緒に壊し、一緒に作り直していく。その役割を担っています。