「本音を職場で言っていいんですか?」――その問いに「いい」と答えられる会社が、組織として強くなる

桑田代表コラム

こんにちは。
『組織の左腕』代表の桑田龍征です。
今回は「社員のエンジンに火をつける、本音の引き出し方」について書いてみます。

「カナダの孫に会いたい」と言った介護士さんの話

弊社COOの南が担当している介護会社さんで、面白い気付きがありました。
南が組織コーチングに入って、最初の段階で行ったのは「今後どうしたいか」というテーマで個人個人の話を聞いていくことでした。

介護のお仕事は、皆さん本当に思いもあり、仕事に対する専門性もあって、プロ意識が高い方が多くいます。そのため最初は、ほとんどの方が「利用者さんにこうなってほしい」「利用者さんのために」という話をしたそうです。

それはもちろん嘘ではありませんし、悪いことでもありません。
しかし、「利用者さんをどう良くしていくか」という話しかなく、そこと自分自身の動機がつながっていないわけではないものの、「本当にそのために頑張っている」という感じがあまりしなかった。そういう状態だったそうです。

そんな中で、ある一人の方がこう話しました。
「今、孫がカナダにいます。そのカナダの孫に会いたくて、仕事を頑張って、自分が休める状況を作って、みんなからも応援される状況を作って、カナダに行きたいんです」と。
そして、それを実現したのです。本当にカナダに会いに行って、本当に幸せだった。「私、もう一回カナダに行きたいから、今仕事を頑張っているんです」と、その場で話したそうです。

その瞬間、周りの皆さんが「そういうことでいいんですか?」「そういう話を職場でしていいんですか?」となりました。

そこで社長が「いや、そういうのが大事なんだよ」と言ってくれました。「あっ、いいんだ」という空気になり、「皆さんはどうしたいですか?」という話を実際にしていったところ、利用者さん以外のところでも、皆さんしっかり持っていた。それを最近は現場で話すようになったそうです。

非常にリアルな話だと感じます。

クレドは綺麗事。しかし、綺麗事も大事

多くの会社でクレドを作ります。
しかし、皆さん綺麗事なのです。

本質的ではない。「実際、何がしたいですか?」と聞いたときに出てくるものとは、別物になっています。

極論、「僕はこの仕事で稼いでギャンブルで毎月1,000万使いたい」でもいいんです。

「それが僕です」と言えるくらいの本音を言い合えない環境こそが、組織を難しくしているのだと思います。

クレドが嘘だというわけではありませんし、綺麗事でなければいけない部分も絶対にあります。
特にお客様のいるサービスにおいては、僕は綺麗事こそが方角だと思っています。
ただ、方角を決めても、動く原動力――エンジンがありません。「どうしたいか」というエンジン部分が、別に必要になるのです。

だからこそ、まずエンジンから火をつけていきます。

やるべきことから、やりたいことへ

本音の会話が自分たちの中でたくさん行われていくと、面白いことが起こります。

社員たちが「お客さんに対してこうしたい」「社外に対してこの会社をこうしたい」という話をするようになるのです。

「会社から言われたから理解してやる、それをやろう」ではなく、「自分たちでこの会社をどうしたいか」という会話ができるようになるんですね。
やるべきことの話から、やりたいことの話へ。このプロセスが、組織にとって非常に大事なのです。

なお、先のその介護会社さんでは、介護士さんと看護師さんの間に分厚い壁があったそうですが、本音を言い合えるようになってからはそれも消え、お互いに「どうしたいですか?」と話せるようになりました。
「みんなでいい職場を作って、いい会社を作って、それぞれの個々の動機の部分を実現していけるような会社にしていこう」という会話が、現場から生まれてきたそうです。

結果として社長さんは、我々との面談で「本当にやることがなくなりました」と言っていました。

今まで社長が解決しにいっていた問題が、現場で解決されるようになった。そして社長は新しい施設を出すことに注力できるようになり、年商は1.5倍に。10億が15億になったそうです。
南に言わせると「人材育成にかける期間が1年~2年は縮まった」という状態でした。

自分たちの会社でも、同じような成長を遂げたいという方は、「本音を言い合える環境」を作ることから始めてみてください。

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