AIが作業を引き受けるほど、人と会う時間が要る ── 掛け算を作らない組織は、どこかで天井にぶつかります
こんにちは。
『組織の左腕』でCOOを務める桑田歩紀です。
今回は「AIが進むほど、なぜ対面の時間が要るのか」について書いてみます。
作業がAIに移るほど、人と人の掛け算が要ります

作業的なことは、もうAIに任せられます。
このプロンプトを打って、これをこの時間までに出してほしい。そう指示すれば、アウトプットが出てくる仕組みになっています。
そうなってくると、余計にこう思うのです。
人と人との関わりの掛け算を作っていかないと、事業を伸ばすことがどこかで天井にぶつかってしまうのではないかと。
クリエイティビティは、まだAIに足りていません。
もちろん、勝ちパターンのあるクリエイティブなら作れてしまうかもしれません。しかし、そうではないもので事業を進めていく場面は絶対にあります。
そして、それは多分、会話の中でしか出てきません。だから集まったほうがいい、と僕は考えています。
AI時代に生き残る人材はどういう人か、とよく聞かれます。AIができない部分をいかに見つけていくか。そこがすごく重要な視点だと思います。
フルリモートで入社した僕は、力を出せませんでした

こう考えるのには、自分の経験があります。
僕が前職に転職したのは、本当にコロナ禍に入った瞬間でした。緊急事態宣言が出た瞬間に転職したような形です。
パソコンが家に送られてきて、最初の上司との打ち合わせも全部リモート。そうやって進んだ時に、パフォーマンスがめちゃくちゃ悪かったのです。
まだ仲良くもなっていない、関係性も作れていない人と、毎日テキストでやり取りをする。Zoomもしていましたが、それでも伝わらないことが結構ありました。
これだと自分の力が出せないな、と思いました。
その後、出社が徐々にできるようになってから、やはり良くなったという実感もあります。ですから僕は、フルリモートには基本的に反対です。
ただ、禁止だとも思っていません。
生活環境によってどうしようもない方もいますし、在宅でもきちんとパフォーマンスを出せる方もいます。家庭の事情で来られない方もいます。完全に禁止というのは、それはそれで違うと感じます。
柔軟なところがいい。組み合わせが一番だというのが、僕自身の考えです。
関係が作れる状態を、先に作っておく

では、具体的にどうするか。
原則週5日出勤という方針も、それはそれで綺麗な姿だと思っています。
ただ、僕であれば最初の3ヶ月はそれをやりましょう、と伝えます。
そして、そこからは状況に応じて、週3日なのか、週4日なのか、週2日なのかを、すり合わせていきます。
最初が大事なのは、関係値を作っている段階だからです。関係値作りの部分を怠ると、結果として辞めてしまう、すぐに離脱してしまう方が出てきます。
逆に、週5日出勤だから行きたくない、という理由で来ない方がいるのも、もったいないと感じます。その人とこの会社はとても合うのに、ということが起こりうるからです。
もうひとつ、組織の左腕が大事にしていることがあります。非効率的なコミュニケーションです。
効率的なコミュニケーションだけを追いかけると、業務を進めるという意味で、業務の会話しかしなくなってしまいます。
しかし業務の会話しかしないと、面白くないし、楽しくなくなってしまう。関係性も深まっていきません。お互いにどういう人間なのかがよく分からないので、遠慮し合ってしまうということも起こります。
ですから、ちゃんと非効率的に時間を使います。ランチでもいいですし、おやつの時間を作るでもいい。飲み会に行くでもいい。
実際、組織の左腕のメンバーとも、そういう時間を過ごしてきました。
決起会のような場だけでは、多分ほぐれなかったと思います。くよくよしていた時期をほぐすには、ちょっとしたご飯や、その場の雰囲気が必要になってくるのです。
雑談の最中に、思い浮かぶこともあります。「え、それ面白いじゃん」と言って始まる事業が、意外とうまくいったりするかもしれません。その機会が奪われてしまうのは、もったいないと思います。
そういう話ができる関係性を作っていく。
その意味で、非効率的なコミュニケーションを、組織の左腕としては結構推奨しています。