売上を作る人を特別扱いした瞬間、周りの人が腐りはじめる ── 特別扱いから主導権争いまでの決まった順番
こんにちは。
『組織の左腕』でCPOを務める南勇大です。
今回は「結果は出すけれど人間性に問題がある人を、組織はどう扱うべきか」について書いてみます。
経営者が切ろうとするのは、たいてい結果が出ていない人のほうです

結果はとにかく出すけれど、人間的に問題があり、周囲に不協和音を呼ぶ人。
結果はそれほど出さないけれど、人間関係を整え、場の空気をよくしてくれる人。
組織はどちらを優先すべきか。世間でもよく言われる論争です。
経営者はここで悩みがちです。特に立ち上げから中小企業のフェーズでは、結果を作ってくれる人はありがたく、やはり残したい。そうして気づけば重宝してしまう。
私も、売上を作ってくれる人は大事にしたほうがいいと考えています。売上があるからこそ会社が潤い、次の成長に進めるからです。
しかし、どちらが大事かと言われれば、長い目で見て、やはり人間性のいい人も大事だと答えます。
ただ、昔からある組織論は、ここでは逆のことを言います。
経営者はつい、結果が出ていない人に辞めてもらおうと考えます。ところが組織を本当に強くして大きくしていこうと思うなら、切っておかなければならないのは、結果はあるけれど人間的に問題がある人、会社の方向性と合わない人のほうだ、というのです。
放っておけば、ガンになっていくからです。
それでも、この決断はしにくい。手遅れになってから動くことになりがちです。
人間性の合わない上司のもとで体調を崩した事例
人間性を軽く見ないほうがいい。そう考える理由のひとつに、身近な例があります。
弊社でCOOを務める桑田歩紀は、前職で上司と揉めたことがあったと言います。
人間性に問題のある人の部下になるのは、本当に辛いです。
当時は「なぜこの人と働いているのだろう」と考えこんでいたそうです。
しかもその頃には、すでに家を買っていました。簡単に辞めるという選択肢がありません。
どうしようもなくなり、精神面で調子を崩してしまった時期があったそうです。
その経験があるので、彼は人間性のいい人としか働きたくない、と言います。これから組織に入ってくる人という意味で考えるなら、結果はそれほど出さなくても、人間性のいい人のほうがいい、と。
その感覚は、私にもよく分かります。
特別扱いをすると、周りの人が腐ります

結果を出す人を特別扱いすると、何が起きるか。
まず本人が、特別扱いを求めるようになります。しかもこれは、人間性に問題がある人に限って起こります。
そうなると、社長との主導権が少しずつそちらに移っていきます。駆け引きが始まります。当然、トラブルも起こします。
そして何より、「自分は結果を作っている」という状態の人を重宝すると、周りの人が腐ります。
結果的に、人間性に問題があるからこそ、大きなトラブルを起こします。
目の前の売上を見ていると、その人を留めておきたくなります。しかし、それまで積み上げてきた売上を全部マイナスにするくらいのことを起こすことがあるのです。
私が外部から関わってきたホスト業界であれば、分かりやすいと思います。店の人をみんな引き連れて、どこかへ行ってしまう。そうしたことが実際に起こります。
ですから、そうした危険性のある人を重宝することはしません。
もちろん、その人といい関係性を作るためのアプローチはします。しかし、そこまでやっても合わないのであれば、早い段階で離れたほうがいいというのが私の考えです。
跳ね者のような扱いをしたまま組織に残しておくと、かえってトラブルを起こしがちになります。
では、人間性をどう見極め、どう仕組みに落とすのか。
来週は、私が外部から関わっていた会社で実際に行った、評価制度と採用の話を書きます。