上司が使うと組織が崩壊するNGワード3選――優秀な部下ほど、静かに辞めていく
こんにちは。
『組織の左腕』コーチの小澤 槙人です。
今回は「上司が使うと組織が崩壊するNGワード」について書いてみます。
経営者や管理職の方と話していると、本人に悪気はないのに、部下のやる気を静かに奪ってしまう言葉がいくつもあります。私がこれまで多くの組織を見てきた中で、特に危険だと感じるものが3つあります。しかも、どれも「つい使ってしまう」言葉です。
先に結論をお伝えすると、この3つに共通しているのは「自分の物差しで相手を測っている」という一点に尽きます。
NGワード①「◯◯は仕事ができない」

1つ目は、誰かを指して「あの人は仕事ができない」と言ってしまうことです。本人に直接言うのはもちろん、別の場所で口にするのも危険です。
そもそも「仕事ができる・できない」は、職種や状況によって大きく変わります。接客が得意な人と、事務作業が正確な人とでは、評価の基準がまったく違うはずです。それを自分の基準だけで「できない人」と決めつけると、それは評価ではなく、ただのレッテル貼りになります。
厄介なのは、言葉にすると態度にも出てしまうことです。上司が雑に扱えば、周囲もその人を軽く見るようになり、本来なら別の場所で活躍できたはずの人が、望まない形で会社を去っていきます。
私自身、部署が変わっただけで見違えるように力を発揮する人を、何人も見てきました。「できない」のではなく「その場所ではなかった」だけ、ということは本当に多いのです。
NGワード②「◯◯できて当たり前」
2つ目は「これくらいできて当たり前」という言い方です。
これも1つ目と根っこは同じで、”自分にとっての当たり前”を相手に押し付けています。しかし、当たり前の基準は、育ってきた環境や経験によって人それぞれです。明文化もしていないルールを「常識」として求めても、言われた側は「私にとっては当たり前ではありません」と感じるだけです。
もし本当に大切にしたい基準があるなら、「うちのチームではこれを守ろう」と言葉にして共有するべきです。
基準を示さないまま「当たり前だろう」と迫ると、部下は「マニュアルに書いていない」と反発し、余計な溝が生まれます。「当たり前」という言葉が飛び交う職場ほど、私は危ういと感じます。
NGワード③「考えたら分かるだろう」
3つ目は、2つ目と地続きの「考えたら分かるだろう」です。
ここで大切なのは、考えるための”材料”を持っていない人は、そもそも考えられない、ということです。「車しか知らない人は、ハワイに行く方法を思いつけない」という話があります。飛行機や船という選択肢を知らなければ、「考えろ」と言われても答えは出ません。
子育てでも同じ場面があります。コップに刺さったストローで飲みながら、いつもの癖でコップを傾けてしまい、飲み物をこぼす。大人からすれば「考えたら分かる」ことでも、経験がなければ起こり得ます。相手を責めても意味はありません。
むしろ「新しく入った人はここでつまずく」と分かったなら、最初に教える、あるいはルールとして仕組みに落とす。個人ではなく構造を変える方が、はるかに建設的です。
3つに共通するのは「自分の物差しで測っている」こと

この3つに共通しているのは、すべて”自分の物差し”で相手を判断している、という点です。
経営者や管理職は、その組織で最も仕事ができる人であることが少なくありません。だからこそ、自分の基準がそのまま「当たり前」になりやすいのです。しかし、その物差しを部下にそのまま当てると、相手は萎縮し、静かにやる気を失っていきます。
明日からできることは、とてもシンプルです。
「できない」と決めつける前に、活躍できる場所を探す。「当たり前」と迫る前に、基準を言葉にする。「考えろ」と突き放す前に、考えるための材料を渡す。そして叱るときも褒めるときも、”何を基準にそう言っているのか”を一緒に伝える。
それだけで、部下は「この人はちゃんと自分を見てくれている」と感じます。言葉を少し選ぶだけで、組織の空気は確実に変わります。