「一つの方向に合わせる」をやめて気づいた、強い組織の本当の条件
こんにちは。
『組織の左腕』代表の桑田龍征です。
今回は「強い組織をつくるための、合意と自走の関係」について書いてみます。
「同じユニフォームを着よう」は、なぜ機能しないのか

経営者なら一度は試みるはずです。「同じ方向を向こう」「一つのビジョンに向かって進もう」というアプローチ。
僕も試しました。しかし、機能しませんでした。
10人いれば、3人は必ず嫌がります。強制的に統一しようとすればするほど、反発が生まれ、形だけの合意になっていきます。
むしろ各自の個性やアイデンティティが出せる環境のほうが、組織として強いと気づきました。
僕の会社では今、年2回「これからどうなりたいか」のプレゼンを全員にさせています。表彰式ではなく、意思の表明の場です。
幹部も全員も真剣にフィードバックを返します。意見の違いをぶつけ合いながら成長していく文化が、そこから生まれました。
一つの方向に強制的に合わせるのではなく、それぞれが意思を持ちながら、利害関係も持ちつつ「このメンバーで一緒にやりたい」という合意がある状態。
僕はこれを「運命共同体」と呼んでいます。
ピラミッドよりも、アメーバのほうが強い

組織の形として、今はピラミッド型よりもアメーバ型のほうが強いと考えています。
それぞれが意思を持って自走し、一つの目標に向かって広がっていく。トップが号令をかけなくても動いている。この感覚が、ここ最近うまくいっている実感と一致しています。
ただし、誤解してほしくないのは「共通理解は絶対に必要だ」ということです。すれ違ったまま一緒にやるのは不可能です。だからこそ、対面して非効率でも話し合う時間を取ることが重要になります。
「あいつ、ちょっとやばいな」と感じた瞬間に、即座にLINEして会いに行く。
このセンサーの鋭さは、僕が尊敬している林さんやヒカル君、堀江さんといった経営者たちに共通して見られる特徴です。
幹部がそのセンサーを持ち続けると、何かあれば助け合い、うまくいっている時はケツを叩いてくれる組織が自然と生まれていく。これが今の僕の結論です。
「無視しない」が、最大の愛情表現だ

組織を動かす上で、もう一つ大切にしていることがあります。
それは「人への向き合い方を変えない」ということです。
褒めることは重要です。ただ、「よかったよ」という曖昧な言葉より、「昨日のあの行動のここが良かった」と具体的に行動にアプローチした承認のほうが、人は動きます。
さらに「もっといけるよ」とケツを叩くことを組み合わせると、軌道修正として機能します。
そして僕が一番気をつけているのは、「無視しないこと」です。
子育てでは、良くない行動を無視することで別の行動を引き出すという手法があります。しかし大人になってから無視されることは、精神的にきつい。「無視していないよ」と伝え続けることが、愛だと思っています。
稲盛和夫さんはおしぼりが飛んでくるくらい怖い方だったといいますが、本気で怒ってくれるリーダーに名指しされた側には必ずその記憶が残ります。
2年間ずっと名前を呼ばれないまま過ごすより、気にかけてもらっていると感じるほうが、人は動く。褒めるだけが愛ではないというのが、自分の中では大切にしているポイントです。
事業がどれだけうまくいっても、人への向き合い方だけは変えたくありません。
組織が自走するとは、仕組みの話だけではなく、こういう一つひとつの積み重ねの上に成り立つものだと、今も確信しています。